2017年3月9日木曜日

メイドラゴン=ユグノー説(4)

 第4話に関する考察です。

根拠①
 カンナが学校指定の体操服類を買わなければならなくなり、それをトールが学校と企業の「癒着」だと言いましたが、「癒着」というのは恣意的な表現であるものの、この指摘は官と民の相互協力関係を示唆している点で重要でしょう。近世プロイセンでも、常備軍を整備する過程で、常備軍兵士の軍服の素材となる繊維をほぼ全て国内で生産し、中央の軍隊と地方の繊維産業を密接に結び付けていったという歴史があります。

根拠②
 カンナが金融関係のチラシを見て文字の読み書きを練習するシーンがありましたが、これはカルヴァン主義的な商人根性を表しているのでしょう。

根拠③
 学校へ通うようになったカンナは、クラスで才川リコという女の子に出会います。当初、才川はカンナへの嫉妬から敵対的な態度を見せますが、やがてカンナと打ち解けるようになり、仲の良い友達となります。これは、技術面や文化面で優れた先進国の人間であったユグノーが当初は現地の人々にうまく受け入れられなかったものの、時間をかけて調和していった過程と重なります。

根拠④
 カンナと才川が公園で現地の少年達と小競り合いを起こす場面がありました。小林さんはこの危機に際して、要請を受けて彼女らの利益を守るべく介入しました。これはユグノーの信仰同胞であるホーエンツォレルン家の君主がユグノーからの嘆願を受け入れて彼らの利益の代表者として振る舞ったことと重なります。

 第4話に関しては以上です。

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