慌ただしさの波に呑まれてみれば、結局は自分の研究を全くできずに一日が終わる。
ここ最近でも特に実りの少ない日であった。
しかし、良いことが無かったわけでもない。
早朝から出かけた通院先では、装具有りならばもう自転車に乗っても良いくらいに骨折が回復しているとの旨伝えられた。
まあ、そうだろうと思っていたが。
その後、診察後に自宅へ戻り、ベッドで横になってしまえば二度寝は不可避であった。
学習能力の低い男である。
またもや正午を過ぎるまで覚醒せず、大学ではただただ試験に出席するのみ。
ラテン語のテストは思ったよりスムーズに解けた。
とはいえ、有り難くも先生が補助輪を付けてくれるテストであるから、これで初級ラテン語の前半部分を習得したことにはならんだろう。
ある後輩はラテン語で私を茶化すような短文を作るほどに実践へ力を入れているというのに、私はそれに及ばぬラテン語力ときた。
「ギリシア語とラテン語は知識人の基礎教養」とはよく言ったものだが、どうも私はまだまだその域に達せぬようである。
本棚に学術本の並ばぬ家庭で育った劣等感のために執拗なまでの知識欲はあっても、実力がそれに追いつかぬのだ。
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